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HOMME de Chemins de Fer 第2回

ヨーロッパのファーストフード+旅行者向け事情

 海外旅行をしていて、食費はどうしても高くつきます。バックパッカーなど、食費を節約したい向きに強い味方となるのがファーストフードでしょう。しかし、日本と違って国によってはファーストフードが貧弱であったり、割高であったりとします。ここでは各国別にファーストフード事情を紹介し、ヨーロッパへ海外旅行へ来る際の参考にしていただければよいかと存じます。また、ファーストフードとともにお世話になる、鉄道旅行の際の供食サービスについてもあわせて紹介します。

A.ファーストフード
B.ホテルの朝食
C.鉄道の供食サービス事情


A.ファーストフード

1.ヨーロッパにおけるファーストフードの種類

 まずは、どの国でも共通となるファーストフードの紹介からです。

 ハンバーガー
 ファーストフードの王様といえる存在です。マクドナルドはヨーロッパのどこの国にもありますし、メニューも基本路線は日本と同じなので一番なじみがある存在でしょう。ハンバーガーの注意点としては、同じブランドでも国によって値段が異なること、その国専用のメニュー(日本で言えば照り焼きバーガーなど)があったりする点です。

 ドネル・ケバブ
 いわばアラブのハンバーガー。日本ではなじみがありませんが、ヨーロッパでは最もメジャなーな食べ物の一つです。大きなパンに、肉と野菜とフライドポテトをサンドイッチしたもので、ボリュームがあり1個で十分お腹がいっぱいになります。ケバブ屋さんでは、大きな肉がぐりぐり回っていますので、すぐにわかります。おおむね3-4ユーロくらいですので、とにかく安くてもたくさん食べたい人にはお勧めです。

2.フランスの場合

 フランス料理は世界3大料理となるくらいグルメの国です。そのため、レストランの料理は非常に質が高く、グルメを満足させるでしょう。しかしながら、フランス料理はやはり高いですし、バックパッカーはもっと安いものを食べたくなるのが心情でしょう。
 ところが、フランスは本格的な料理が豊富なのに対して、ファーストフードは非常に貧弱な国です。そのため、どうしても食費は高くなってしまいます。どうしてもファーストフードでは選択肢が狭いので、学生食堂やエスニック料理などのリーズナブルな料理を組み合わせた方が無難でしょう。

 まずはハンバーガーから。フランスのハンバーガーチェーンは、マクドナルドとクイックバーガーの2つがあります。フランスのマクドナルドは日本に比べて割高で、セットメニューは最低5ユーロからとなり、ビッグマックセットは6ユーロくらいします。店によっては、油の質が低くてフライドポテト(フリットFreit)がまずいところもあります。フランスのハンバーガーは日本に比べて質、価格ともどうしても劣ってしまうのは否めないでしょう。と言えども、ハンバーガー・チーズバーガー・フィレオフィッシュなど日本でもおなじみのメニューですので利用する機会は多いと思います。ちなみに、セット(フランス語ではセットメニューや定食はムニューMenuです)はドリンク代で割高となっています。ホテルの部屋にテイクアウトするなら、ハンバーガーとフリットを単品で買い、飲み物はスーパーで買った方が安くなります。例えば、ミネラルウォーターの場合は、ATACなどのチェーンのスーパーで1.5Lで0.18ユーロから0.6ユーロくらいで買えます。コーラなどの飲み物もスーパーで買った方が安くなります。

 ハンバーガーの貧弱さを補ってくれるのがドネルケバブです。ケバブは3-4ユーロくらいでありますので、とにかく安く腹いっぱい食べたい向きにはお勧めです。ケバブはすっかりフランスではメジャーな存在ですので、アラブ人街だけではなく、普通の繁華街にもたくさんあります。

 フランスで忘れてはならないのがサンドイッチ。フランスパンに野菜とハムなどを挟んだサンドイッチです。サンドイッチ屋さんは町の中の至る所であります。サンドイッチ1つ2ユーロか3ユーロくらいからで、1個では量がやや足りないので、コストパフォーマンスはケバブに劣るかも。ロレーヌ発祥のキッシュQuishe(パイの1種で、薄地のパイ生地に具を混ぜた卵を流し込んで焼いたもの)も、お勧めのファーストフードです。キッシュはサンドイッチ屋で売っていることが多いようです。ピザついでに、アルザスの郷土料理であるタルトフランベ(薄焼きピザ)も一つ5ユーロくらいからあり、なかなかリーズナブルな料理の一つ。ストラスブールへ来たときは是非。

 ファーストフードとはちょっと離れますが、エスニック料理は比較的手頃な存在。ベトナム・中華料理(フランスはベトナム経由で中華料理が加わったので、ベトナム+中華料理という店が結構多い)が日本人にもなじみやすく、料金も手頃です。ランチメニューならば7-9ユーロくらいであります。北アフリカからやってきたクスクスもリーズナブルなエスニック料理。肉や野菜を煮込んだシチューを小麦の粉の上にかけて食べます。一皿7ユーロくらいからあり、ボリュームがあるのでバックパッカーにはお勧めです。

 どうしてもお金を使いたくない人は、とりあえずパン屋さんへ行ってフランスパンを買って下さい。というのは、フランスパンは政府によって価格が決められており、非常に安いからです。フランスパンの長いバゲットなら、1本60-80セントで売っています。クロワッサンなども一つ70セントくらいから。パンだけでは栄養が足りないので、スーパーやチーズ屋(フランスではチーズ専門店があります)へ行ってチーズを買ってパンにつけて食べるとか、ヨーグルトを買って一緒に食べるかするという方法があります。焼きたてのフランスパンは安くておいしい食べ物ですので、変にけっちってお菓子やチョコレートを食べるよりはパンを買う方がお勧めです。

 究極の格安レストランと言えば、学生食堂(Rest-U)です。フランスの大学の学食は日本とは異なり、キャンパスの外側にあって、街中にあることも少なくありません。学生以外にも、ビジター料金で利用できるところは少なくありません。ストラスブールの場合、学生料金は2.6ユーロ(定食)で、ビジターは4.5ユーロとなっています。とにかく、安くてたくさん食べられるのが学食です。

3.ドイツの場合

 ドイツのファーストフードは非常に充実しており、食事を安く済ませたい向きには有難い国です。ドイツ料理は肉とジャガイモ中心でかなり重いですので、そのあたりを考えてもファーストフードの出番が多いと言えます。

 ハンバーガーはマクドナルドなどのチェーン店があちらこちらにあります。ビッグマックセットの価格はフランスで6ユーロに対して、ドイツでは5ユーロくらいとこちらの方が格安になっています。ビッグマックセットだと、ドイツの場合は日本と変わらない水準ではないでしょうか?ドイツらしく、トンカツを挟んだホットドッグ型ハンバーガーなどもあります。フランス同様、アラブのハンバーガー、ドネルケバブもドイツでおなじみであり、安くてボリュームがありバックパッカーにはお勧めです。

 ドイツのファーストフードチェーンでは魚料理のNORDSEEがあります。テイクアウトの海鮮サンドイッチ・フライならびに、店内でのビュッフェ形式の魚料理を扱っています。魚料理ということで日本人にもなじみやすいですし、価格も手ごろです。ドイツ中に店舗があります。

 ドイツで忘れてならないのが、ホットドッグ。ドイツと言えばソーセージですが、ドイツ・ソーセージをパンに挟んだホットドッグはドイツで一番ポピュラーなファーストフードと言えます。マルクト(市場)などの露天スタンドでよく売っている他、肉屋さんでもホットドッグを売っていることが多いです。

 ドイツの場合、駅のフードコートも結構充実しています。大きな駅(各都市の中央駅Hbfなど)へ行けば比較的リーズナブルな料金で食事をすることができることが多いです。

4.イギリスの場合

 イギリスと言えば、食事が高くて不味いと悪名が高いですが、ファーストフードに関してはイギリス人好みなのかフランスよりは発達しています。まずハンバーガーはバーガーキングとマクドナルドが二大チェーン。ビッグマックセットで、3.3ポンドと(ユーロ換算の場合は)ドイツ並みの水準でフランスよりも安いです(1ポンド=1.4-1.5ユーロ、1ポンド=180-200円くらいなので)。イギリス名物フィッシュアンドチップスはフライドポテトの上に魚をのせた料理。これも安くてたくさん食べられるようです。

5.スペインの場合

 スペインでもマクドナルドやバーガーキングなどのファーストフードが揃っています。と言えども、スペインの場合は普通のレストランが十分すぎるほど安いので何もファーストフードにこだわる必要もないと思います。都市の駅の近くなどにある安めのレストランならば、定食で7か8ユーロくらい、これでメイン2皿(パエリア+メインのおかずという組み合わせなど)、パン、デザート、ワインがついていたりします。パエリア(混ぜご飯)も一皿5-6ユーロくらいで、結構安く、ファーストフードに行くよりはパエリアを食べた方がコストパフォーマンスはよいと思います。

6.日本と比べてみると

 ざっとヨーロッパと比べてみて、日本では本当にファーストフードが発達していると言うことがよくわかります。日本のファーストフード隆盛は、何もマクドナルドなどのファーストフードチェーンが作ったのではなく、日本食はおにぎり、お弁当、うどん、そばなどのファーストフードが存在しており、元々携帯食を重視する食文化であったからこそファーストフードが発展したと言えます。逆にグルメの国フランスは、グルメすぎて食文化が一方では豊かで一方で貧弱という状態になっています。というのは、フランス人は食事を2時間くらいかけて、前菜、メイン、デザート、コーヒーまでとりますが、そうでない食事は本当に手を抜くようで、ゆっくり食べられないならば貧弱なサンドイッチで済ませることが多いです。日本では弁当という携帯食が多彩な食文化を作っていますが、ヨーロッパ諸国では携帯食=サンドイッチという図式が完全に固定されていると言って過言ではないでしょう。

A.ファーストフード
B.ホテルの朝食
C.鉄道の供食サービス事情

B.ホテルの朝食

 ホテルは大抵朝食は出してくれますが、国によって内容はバラバラです。まず充実しているのがドイツ。ビュッフェ形式で、パンの他、サラダやハム、たまごなどたくさん出してくれます。朝食で腹一杯食べられますし、この朝食でサンドイッチを作ることもできます。逆に貧弱なのがフランス。フランスでは朝食はPetite Dejener(小さな昼食)といい、その名の通りあまり食べません。ホテルでも大抵パンとコーヒーだけです。フランスの場合さらにひどいのは、朝食別料金のことが多く、パンとコーヒーだけで8ユーロくらい取られることも多いです。節約したいならば、パン屋でパンを買った方がよいでしょう。朝ならば焼きたてのおいしいフランスパンが食べられますし。

A.ファーストフード
B.ホテルの朝食
C.鉄道の供食サービス事情

C.鉄道の供食サービス事情

 最後に鉄道の供食サービス事情について紹介します。日本では駅弁がおなじみの存在ですが、弁当自体が存在しないヨーロッパでは当然駅弁はありません。そのかわり食堂車やバーが鉄道の食事サービスの基本となります。ざっと紹介していきましょう。

1.ドイツの場合

 鉄道先進国ドイツは、鉄道食事サービスでもヨーロッパ一の水準を誇っています。まずDB(ドイツ鉄道)の列車のうち、超特急ICE-1、ICE-2の全列車と在来線特急のEC、ICのうち長距離列車には食堂車(Bord Restrant)がついています。メニューはサラダ、メインディッシュからデザート、チーズ、さらに各種ビールやワインなど一通り揃っています。食堂車ならば本格的な食事を取ることができます。ICE-3や比較的短距離のICについているのが、ビストロカー(Bistro)です。トーマスクック時刻表では、ビストロは食堂車ではなくバーのマークがついていますが、このDBのビストロは食堂車よりも座席が少ないというだけで、結構本格的な料理を出してくれます。ビストロカーは他の国の鉄道のバー・カーよりもよほど充実していますし、ほぼ駅のフードコート並みの水準は言っていると言えます。ドイツ鉄道の各都市の中央駅(Hauptbahnhof、Hbf)にはフードコートが整っていることが多く、ドイツの鉄道旅行で食事に困ることはまずないでしょう。

2.フランスの場合

 はっきり言って、グルメの国の面目丸つぶれと言ってもよいくらい貧相なのがフランスの鉄道食事サービスです。かつてTEE(ヨーロッパ横断特急)のトランブルーやミストラルでヨーロッパ一豪華な食堂車をつないでいたのは今は過去の話。TGVに連結されたバーを除けば車内サービスは車内販売のみというお寒い状況です。
 まずTGVのバーから。すべてのTGVに連結されたバーではコーヒーやビール・ワインなどの飲み物の他、スナックや軽食なども提供されます。食事と言えるものでは、スパゲティーがメニューにあります。TGV一等では予約すれば座席で食事を食べられますし、英仏超特急(英ベルギーも)ユーロスターでは一等車、特等車ははじめから食事料金込みで、飛行機のように食事を持ってきてくれます。
 一方で在来線特急コライユ(Corail)は惨々たる状況です。食堂車は皆無で(ドイツ・イタリア・スペインから乗り入れてくる国際列車には食堂車がついている)、バー・カーもほとんどありません。車内販売が唯一の存在ですが、食事と言えばサンドイッチだけで、しかも街中に比べれば相当割高です。車内販売で利用価値があるのは飲み物だけと言っても過言ではありません。フランスで長時間在来線特急に乗るならば、何か予め買ってから乗った方がよいでしょう。
 といいつつ、フランスの場合はさらに注意する必要があるのが、各都市の中央駅の店舗なども貧弱なケースが多いことです。ドイツのようなフードコートはおろか、カフェすらない駅も多いのです。また、売店等も雑誌スタンドが中心で、パンやサンドイッチが手に入りにくいところも少なくありません。駅前へ出て何か買おうにも、フランスの中央駅の場合、駅前に何も無いところが少なくありません。フランスの駅の場合、駅前に店が揃っている場合は、駅構内の売店も充実している場合がほとんどです。以下各駅の情報を書いてみると、

・パリ
 6大ターミナルは売店などはもちろん充実しています。オーステルリッツ駅以外は駅周辺にもレストランやバー、ビストロが多いです。北駅・東駅付近はパリ下町の盛り場で、安いレストランやホテルが多く、利用価値が高いと言えましょう。サン・ラザール駅は都心のオペラ座に近いので、駅周辺のレストランやファーストフード店が揃っています。オペラ座周辺の日本料理レストラン街にも徒歩で10分ほどで行けます。リヨン駅構内のレストラン、ル・トラン・ブルーはかつてのフランスで一番豪華な列車の名前にちなむ格式のあるレストランです。

・リヨン
 パールデュー駅、ペラージュ駅の二大ターミナル双方とも売店などが充実しています。特に、パール・デュー駅は周辺が新都心として開発されていることもあり、駅近くにショッピングセンターが多いので利用価値が高いです。

・マルセイユ
 マルセイユの中央駅、サン・シャルル駅はフランス第三の都市の玄関で南仏の鉄道の要衝という割には施設が貧弱です。駅構内にはカフェと売店があるくらいで、レストランはありません。待合室もなく、ベンチも少ないので列車の待ちにも苦労します。駅周辺にはレストランとかはなく、その上に治安が悪いので、レストランやファーストフードならばメトロに乗り一駅の旧港(Vieux Port)まで行った方がよいでしょう。

・ストラスブール
 ストラスブール駅は、駅構内・駅周辺とも施設が充実しています。SNCF駅構内には売店・カフェ・サンドイッチ店が揃っており、地下駅となるトラムの停留所のコンコース(地下1階と地下2階)にもファーストフード店やカフェ、売店などがあります。駅前広場にはマクドナルドがあり、さらにマクドナルドから入る通りには何軒かケバブ屋があります。駅周辺にはレストランなどもありますので(駅前広場から150mのトラムBC線のFaubourg National停留所付近など)、ストラスブール駅で食料調達には困らないでしょう。

・ナンシー
 駅自体施設はあまり整っていないですが、都心の商店街が駅のすぐ近くなので、歩いて都心へ行った方がよいでしょう。駅前広場からトラム通りへ沿って歩けば、3分くらいで都心のショッピングモールに入ります。

・ルーアン
 ルーアン・右岸駅はパン屋と売店があるくらいで、レストランとかはありません。駅周辺にも店とかは少ないです。旧都心の大聖堂やジャンヌダルク教会周辺へ行った方がよいでしょう。トラムで一駅、歩いて10分ほどです。

・トゥールーズ
 トゥールーズ・マタビオ駅は60万都市の玄関とは思えないくらい貧相な駅施設で、レストランや売店なども貧弱です。駅周辺にも何もありません。メトロ(VAL)で都心へ行った方がよいですが、VALの乗り場はマタビオ駅から少し歩くので時間の余裕が必要です。

・ボルドー
 ボルドー・サンジャン駅施設は充実しています。ただし、駅周辺は店などは少ないので注意が必要です。都心まで距離があります。

A.ファーストフード
B.ホテルの朝食
C.鉄道の供食サービス事情



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